虚無と闘う大学院生

大学4年間を虚無と堕落で埋め尽くした大学院生が熱量を取り戻すまでを描いたブログ

結局今に生きるしかないということ

禁欲的であるとか,義務感に縛られない,とかそれらを自覚するなどということも有効ではあると思う.

しかし結局のところそれらを踏まえた上で今に意識を集中させる以外に,圧倒的虚無を打ち崩す方法はないのかもしれない.

 

今以外の時刻に対して意識が向いているとき,対象の魅力は大幅に損なわれる.

言い換えれば,今のみに意識が向いているときに,対象の魅力が最大化されると言うことだ.

 

未来への思考.

これが何の役に立つのか,どうせ死ぬじゃないか,という考えに至ってしまえば全てが無に帰す.

 

過去への思考.

俺は今まで何も成し遂げてこなかったから今回以降もうまくいかないだろう,という強力な根拠を持つ過去への合理的後悔があれば,現在目の前にある対象への集中力は著しく低下し,魅力は全く感じられなくなる.

 

いずれのケースにしても現在以外の時刻へのタイムスリップが行われることにより,現在の行動から得られる報酬と充実感が著しく損なわれる.

タイムトリップによってもたらされる,充実感の欠如という負の感情.

この存在の原因を今目の前にある対象に求めてしまったとき,破滅してしまう.

 

原理はこうだ.

自分が現在に意識を集中させるという行為を行っていないからネガティブな気持ちになっているにもかかわらず,その不快さを目の前の対象に押し付ける.

するとその対象が嫌いになり,他のものに対して行為の対象を移す.

しかし当然,現在への不集中という根本原因は解決されていないため,移動先の対象に対してもネガティブなイメージを抱く.

これが任意の回数繰り返された結果,自分の中において「この世には楽しいことなんて一つもない」という激烈な結論が導かれる.

しかもタチが悪いのは,これが自らの行動によって裏付けられてしまっている点である.

とりあえずいろんなことに手を出してみよう,って言われたから頑張っていろいろなものに触れたのに全部つまんねぇじゃねぇか!となる.

 

これほど不幸なことはない.

本人はしっかりと行動したのにもかかわらず,自分が認識していない部分に不幸の原因がこびりついている.

本当に不幸だ.

これにより自己評価が地に落ち,自己否定の格好の根拠になり,学習性無力感に苛まれ,何をしても無駄だという感情を強固に持ち,自暴自棄になる.

死なずにいられることが不思議なくらいネガティブな気分になる.

 

全ての対象の魅力を最大に見つけてあげられるためには,現在に意識を向けることが絶対条件なのだ.

 

そしてこれをするために必須のことは何か.

それはタイムトリップを認識し,パターン化されたものとして既視感を覚えるようにする,ということだ.

タイムトリップとは先ほど述べたように,未来もしくは過去に意識が向いている状態である.

これは非常によく起こることだ.

だからタイムトリップ=よくあることと認識し,意識が過去もしくは未来に向かおうとしているorすでに到着している場合に既視感を覚えることである.

 

この方策によって意識を今に向けることを行わない限り,幸福はない.

そして一日の中で一度でも現在に集中する時間を作ることができれば,成功体験が積み上がっていく.